日本猫(和猫)を知ろう

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猫ブームといわれている昨今ですが、テレビで見かける猫や話題に上る猫は洋猫が多い気がします。

ふわふわの長い毛を持つ猫や、まんまるの目につぶれたお鼻の猫、足の短い猫…どの子もみんなそれぞれに特徴があって、かわいい!

でも、日本には洋猫にはあまりない特徴を持った日本特有の猫がいます。そんな日本の猫について紹介したいと思います。

 

日本猫(和猫)を知ろう その歴史

日本猫の歴史は、奈良時代の頃といわれています。大切な経典などの書物をねずみの被害から守る益獣として、中国から輸入されたことが始まりとされています。

猫が日本に定着していたことを詳しく示す史料が乏しいために、現在では2つの説があります。

日本に伝来して以来、永木にわたり猫は貴重な愛玩動物としてつないで飼育され、ねずみの被害から書物を守る益獣としての使用は限定されていたという説がひとつ。

もう一方では、ねずみ狩りの益獣として輸入されたため、家の中で飼われるよりは外でつながれることなく自由に暮らすことが多かったという説もあります。

日本猫にはもう混血しかいない?

第二次世界大戦が終結した頃から、日本に駐屯している外国人が日本国内に外来種(洋猫)を大量に持ち込んだり、シャムネコの爆発的なブームの影響がありました。当時、日本で猫はねずみを捕るために放し飼いにされていました。海外から持ち込まれた猫も、日本猫と同じ飼い方をしたため外来種(洋猫)との混血が急速に進み、20世紀後半には絶滅寸前といわれるまでの状況になりました。これに加え、日本猫は品種としての認識があまりされていなかったことも、混血が進んだ背景として考えられます。

今では、外来種の進入の少ない地域の野良猫や一部の愛猫家によって大切に育てられているもののみとされている説やもう一方では、もう絶滅してしまったという説もあります。

 

日本猫(和猫)を知ろう その特徴

日本猫が外国の方から珍しがられる点としてあげられるのは、短い尻尾と被毛の色だそうです。

そんな日本猫の特徴といえば以下のものがあげられます。

全体的な特徴

体型は中型、やわらかな短毛。耳は少し丸みがある。四肢はしっかりとしていて太め、ポー(足先)は丸型。

尻尾は長・中・短の3タイプ存在します。

短い尻尾は尾骨が複雑に折れ曲がっている(巻いている)ことが多いですが、毛に覆われているため外見からは単純な切り株状に見えます。この尻尾は劣性遺伝子のため、両親が共にこの遺伝子を持っていなければ誕生しません。短尾の猫は世界的に珍しいため、日本猫の特徴のひとつとなっています。

 

長い尻尾の猫の中にも尻尾が曲がっていたりする猫もいます。これは、先天的な遺伝(例えば、親の片方が長い尻尾で、もう片方が短い尻尾の場合など)や、後天的なまだ骨が柔らかく変形しやすい時期に親や兄弟に踏まれて変形してしまったことが原因の場合があります。この曲がった尾は鉤の様に折れ曲がっているため「かぎしっぽ」といわれています。

顔の特徴

丸顔で額が広く、目は丸く目尻が少しつりあがっている。鼻筋は通っておりやや広め、顎はしっかりとしており口元は短く突き出ていない。

余談ですが…

幸せを呼ぶといわれる猫がいるそうですが、日本猫の中にもこの特徴をもった猫がいます!

それは、「かぎしっぽ」「黒猫」「オッドアイ」です。

『かぎしっぽ』は、ヨーロッパ等では曲がった尻尾の先に幸運をひっかけてやってくるといわれ大切にされてきました。

『黒猫』は、魔よけや幸運の象徴とされています。

『オッドアイ』は、本来は先天性的な遺伝子の異常によるものとされ出現率は大変少ないとされています。その希少性から見つけるだけで幸運に恵まれるといわれています。オッドアイの色の組み合わせは一方が薄い青色で、もう一方の目が金色か橙色であることが多い。まれに一方が金色で、もう一方が黄味の無い淡銀灰色(銀色を帯びた淡いグレー)または淡い青色の場合、日本では金目銀目(きんめぎんめ)と呼ばれ、とても縁起のよい猫として扱われてきました。

※オッドアイは、虹彩異色症(左右の虹彩色が異なる状態)あるいは、それを有する猫のことを言います。オッドアイを有する猫は、どのような毛色の猫にも存在しますが、白猫に表れることが特に多いといわれています。オッドアイを有する猫は、虹彩の色の薄い眼の側の聴覚に障害を持つことがあるが、もう一方の側の聴覚は正常であることが普通であるといわれています。(聴覚異常の発症率は20~40%とされています)

他にも、三毛猫のオスはその希少性が高いからか、金運アップや商売がうまくいくといわれています(招き猫は三毛猫のオスをモチーフにしているものが多く作られています)。

 

日本猫(和猫)を知ろう 毛色について

日本猫として存在し得る被毛の色には次のようなものがあります。(日本猫保存会が公認したもの)

ソリッド(単色)

  • 白・・・・・・・・・・・・全身むらのない真っ白。
  • 黒・・・・・・・・・・・・全身むらのない黒。(部分的に白い毛が生えている場合もある)
  • 灰・・・・・・・・・・・・全身むらのない灰色。
  • 赤・・・・・・・・・・・・全身が深く澄んだオレンジ色

バイカラー(二色)

体全体の3分の1から3分の2程度が白色で、他の部分に色が入っている毛色。頭部・背中・しっぽなどに色がつき、お腹や四肢などは白色。顔がハチワレ(頭の中心部分から八の字状に色が分かれていること)になっていることも多い。

色の組み合わせとしては、黒×白、赤×白、灰×白、縞×白があります。

バンバイカラー(斑)

白い地毛に、2~3箇所程度に他の色が斑に入っている毛色。(耳や尻尾に色がつく場合が多い)

色の組み合わせはバイカラーと同じで、黒×白、赤×白、灰×白、縞×白があります。

キャリコ(三毛)

  • キャリコ(三毛)・・・・・・・・・・・・白い地色に縞のない赤・黒の毛色が模様のようになっている毛色。
  • バンキャリコ(トビ三毛)・・・・大部分が白い地色で赤・黒の斑が耳周辺や尻尾にポイント的に入っている毛色。
  • キャリコタビー(縞三毛)・・・・白い地色に縞のある赤・黒の毛色が模様のようになっている毛色。

タビー(縞)

  • サバトラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・グレーに黒の縞模様。魚の鯖の様な模様(シルバーマッカレルタビー)。
  • キジトラ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・茶色と黒の縞模様。鳥の雉の(キジ)様な模様(ブラウンマッカレルタビー)。
  • 赤トラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・赤の濃淡により形成される縞模様。(レッドマッカレルタビー)。
  • 雲型・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・渦巻き模様(クラシックタビー)。

※マッカレルタビーとは、マッカレル(Mackerel)とは英語で鯖のことです。猫の模様では、体の両側に切れ目なく入った縞模様の事で、虎縞、鯖縞と呼ばれています。目尻から頬にかけての線・額のM字・首・しっぽ・足に細い横縞があるのが特徴です。

※クラシックタビーとは、アメリカンショートヘアーやメインクーンなどに見られるような、渦巻き模様のことを言います。クラシックタビーは劣性遺伝なので、両親共に因子を持っていないとクラシックタビーにはなりません。注意すべき点としては、クラシック同士を交配すると骨格が弱くなるといわれているので、注意が必要です。

パーティーカラー(混色)

  • サビ(トーティシェル) ・・・・英語でTortoiseshellはべっ甲という意味。黒と赤もしくは白がまだらに入る毛色。

 

日本猫(和猫)を知ろう 目の色について

日本猫の目の色は基本的には金色です。ただし、ソリッドカラー(白)やキャリコ(バンキャリコ/トビ三毛)には、青い目や、オッドアイが存在します。

オッドアイとは左右の虹彩色が異なっている状態のことをいいますが、医学用語では虹彩異色症と呼ばれる先天的な遺伝子異常のひとつだと言われています。原因はまだ特定されていませんが、白猫に発祥する確立が高い。虹彩が青くなる原因は、色素細胞(メラノサイト)の量で決まりますが、白猫は色素細胞(メラノサイト)の量が抑制されているために、全身の毛が真っ白になっています。毛が白くなるのと同様に虹彩も色素細胞(メラノサイト)が抑制されることによって青くなります。

また、両目ともに青い場合も難聴の確立が高いとされています。白猫が難聴になる確率は、両目とも青い目の場合は50~80%、オッドアイの場合は20~40%(青い目の側のみ)、青い目がない場合は20%程度といわれています。オッドアイの場合と同じく、色素細胞(メラノサイト)が抑制されることによって、生じます。

色素細胞(メラノサイト)の抑制によって、虹彩が青くなると書きましたが、これは白猫が持つ「W遺伝子」が関係しています。このW遺伝子は、色素細胞(メラノサイト)に直接関係のない聴覚にも影響を及ぼします。耳の奥(内耳)に存在する「コルチ器」といわれる組織は音を感じる働きをしますが、このコルチ器はメラノサイトと同じ細胞から分化するため、W遺伝子の影響を受けやすくなるのです。

ただ、白猫全てがW遺伝子を持っているわけではありません。W遺伝子を持っていなくても毛が白くなる場合もあるため、全ての白猫が当てはまるわけではありません。

 

日本猫(和猫)を知ろう アメリカの日本猫ジャパニーズボブテイル

日本の猫が、ある一人のアメリカ人女性によって海を渡りアメリカで繁殖・改良され、そして血統登録を受けました。その猫は「ジャパニーズボブテイル」といいます。現在では、日本に逆輸入されています。

ボブテイルとは尻尾が折れ曲がっていたり、短いもののことをいいます。

ジャパニーズボブテイル 歴史

1960年代日本に滞在していたジュディ・クロフォードというアメリカ人女性が短尾の日本猫に魅了され、アメリカの友人に日本猫のつがい一組を送り届けたことからはじまりました。

やがて帰国したクロフォードは、繁殖に着手します。

1968年だけで100匹以上の短尾の日本猫がアメリカへ移送され、本格的な繁殖計画が始動しました。

1976年にアメリカの猫種管理団体であるCFA(THE CAT FANCIERS’ ASSOCIATION, INC.)から、ジャパニーズボブテイルは一品種としての認定を獲得する。

1992年には長毛種にあたるジャパニーズボブテイル・ロングヘアが新たに認定されました。

 

ジャパニーズボブテイル 日本猫との違い

上にも記載があるように、日本猫の体型は中型で四肢はしっかりとしていて太めとなっていますが、ジャパニーズボブテイルはアメリカで改良され、日本猫に比べると胴体や足がややスマートになっています。

 

まとめ

「日本猫」というものが、CFAやTICA(The International Cat Association)に登録がないようなので、日本猫に血統書がつくということはないようですが、少しでも、日本猫の特徴を多く残した飼い猫たちが増えるよといいなと思います。そしていつかは、「日本猫」としてCFAやTICAに登録される日が来てほしいものです。

以上、ご拝読ありがとうございました。

 

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