「暑気払い」について

ELLY_DSC8989_TP_V

最近は、暑気払いという言葉を知らない方も増えいていると聞きました。

確かに自分の周りでも、聞かなくなったなという印象はあります。

自分が新入社員の頃は暑くなってくると、「そろそろ暑気払いせんといかんね」なんて誰かが言い始めて、それをきっかけに飲み会が開催されていたので、なんとなく「暑気払い」は飲み会を開く口実なのかな位に考えていました。

自分と同じような認識をされている方は多いのではないかと思いますが、本当は意味がきちんとあるようなのです。

暑気払いの本来の目的とはどのようなものなのでしょうか?

これも、日本のひとつの風習として情報を持っておくと思わぬところで役に立つかもしれません!

 

暑気払い 本来の意味は?

暑い夏を乗り切るために、体を冷やす効果のある食品を摂ったり、体の熱を取る効能のある漢方などで体にたまった熱を取り除くことなどで、暑さをうち払おうとすることを「暑気払い」といいます。

現代では、「暑い夏を乗り切ろう!」という趣旨で親睦会が開かれることが主のようになっていますが、本来は、『体を冷やす効果のある食品を摂る』ことが主なので、冷たいものを食べたり飲んだりすることだけを指すものではありませんでした。

氷や冷たい水が貴重だった江戸時代にはすでに「暑気払い」という言葉が存在し、上方では「柳蔭(やなぎやけ)」、江戸では「本直し」と呼ばれた、体の内側から暑気を取るといわれている「みりん」と焼酎を1:1の割合で混ぜたものが、冷用酒として飲まれていました。

他にも、江戸時代の川柳には『枇杷と桃 葉ばかりながら 暑気払い』というものが残されているようです。

これは、「枇杷と桃の(実ではなく)葉ばかりで憚られますが、これでひとつ暑気払いでも・・・」という意味の句ですが、これからもわかるように、江戸時代から枇杷と桃の葉には体を冷やす効果があるとされていたことがわかります。

それにしても…「葉ばかり」に「葉っぱばかり」と「憚り(はばかり)」の2つの意味を持たせるなんてなかなか洒落てますね!

 

暑気払い 行う時期は?

一般的には「梅雨~8月上旬」を指すようですが、暦などで定められているわけではないため、暑い時期であればいつでも暑気払いを行っても差し支えありません。

ですが、日本には二十四節気やそれを補うものとして雑節を用いて季節を表してきましたが、それに則って暑気払いを行ってみるのもまた乙なものかもしれません。

たとえば、夏至(6月21日~22日)や大暑(7月22日~23日)から立秋(8月7日~8日)や処暑(8月23日~24日)など。

雑節には土用がありますが、夏の土用「土用の丑の日」に行ってみてもいいかもしれません。

 

暑気払い 体を冷やす効果のあるものとは?

旬の野菜

夏に旬を迎えるキュウリやスイカ、ナスは、水分やカリウムが多く、体を冷やし利尿作用があります、これは、体を冷ますと同時に体内に溜まった老廃物や水分を体外へ排出させてくれる効果があります。

暑気払いの観点からはずれるかもしれませんが、トマトやピーマン、ゴーヤには抗酸化作用のビタミンCが豊富に含まれており、コラーゲンの生成を促したり、メラニン色素の沈着を防ぐ効果があり、紫外線でダメージを受けた肌の調子を整えてくれたりします。

 

麦をつかった食品

麦は6月~7月にかけて収穫されますが、この麦にも体を冷やす効果があります。

夏に素麺や冷麦を食べることも、理にかなっているといえます。

また、麦を原料とするビールも、体を冷やし利尿作用を促す効果を持っています。ただし、飲みすぎには注意しましょう。

 

甘酒

甘酒は、夏の季語にもあげられている飲み物ですが、「飲む点滴」とも言われています。

甘酒は米麹と米を原料とした発酵食品ですが、この甘酒に含まれている栄養は、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、食物繊維、オリゴ糖、アミノ酸(システイン、アルギニン、グルタミン)、ブドウ糖です。

冬の風予防にはもちろんですが、夏バテや肥満抑制効果、腸内環境改善、頭皮の若返りなどの効果も期待できます。

 

 

暑気払い 最後に

暑気払いにビールで乾杯も実はただの口実ではなく、体の熱を取る効果のあるもののようですね。

仕事場やサークルの仲間と共に暑い夏に負けずにがんばろうと士気を高めるために飲み会を開くのも、結束を高めるためにもいいと思います。若い頃は、苦手だった年上の方がいる宴会でしたが、年配の方からためになる話を聞けたり、上司や先輩の意外な顔が見られたりするので、面倒と思う方も一度夏の暑さに乗じて行ってみてはいかがでしょうか?

幹事に選ばれると悩む、はじめと締めの挨拶をしなくてはいけませんが、暑気払いの本来の意味や二十四節気のことなどを小ネタにもりこめば、挨拶の言葉を考えるのもスムーズにいくかもしれませんね。

個人的には、暑気払いと称してビールを開ける本数が増える気がしました。

最後まで、よんでいただきありがとうございました。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です