最近、いぼ改善にいいとヨクイニンを使った漢方薬や薬がCMなどでも流れていますが、みなさんはヨクイニンとは何かご存知でしょうか?
そして、この「ヨクイニン」は「ハトムギ」とも関係があるのです!
ハトムギといえばハトムギ茶だけではなく、ハトムギを使った化粧品などもあり肌にいいイメージがありますが、そのハトムギとヨクイニンはいったいどんな関係があるのでしょうか?
目次
ヨクイニン(ハトムギ)の健康効果 ヨクイニンとハトムギにはどんな関係が?
ヨクイニンは、ハトムギの種皮を除いた種子を乾燥した生薬です。
ヨクイニンは薏苡仁とも書き、漢方や民間療法では、いぼ取りや利尿作用の効果があるとされ、漢方では、薏苡仁湯などに使用されています。
ただし、妊娠中は子宮伸縮を促進してしまう可能性があるため、ヨクイニンだけではなくハトムギを含む飲料や食品の摂取を避けるべきです。
ヨクイニン(ハトムギ)の健康効果 ヨクイニンの効果
漢方的には、利水、去風湿、清熱、排膿などの効果があるといわれています。
利水(りすい)とは
体内の水の代謝異常により起こる、むくみ、下痢、尿利減少、多尿、嘔吐、口渇などの水滞(水毒)の状態を改善します。
去風湿(きょふうしつ)とは
去風湿とは、風・水によって起こる症状を取り去ることをです。風(風邪/フウジャ)・水(湿邪)によって起こる、夏風邪・胃腸風邪や神経痛・リウマチの症状を改善します。
清熱(せいねつ)とは
清熱とは、体内に留まっている余分な熱を冷ますことをいいます。熱証と呼ばれる、炎症・充血・自律神経の興奮などに伴って生じる状態(熱感・のぼせ・ほてり・イライラ・口渇・尿が濃いなど)の改善をします。
排膿(はいのう)とは
化膿してできた膿(にきび・蓄膿症など)を体外に排出させることをいいます。(抗腫瘍作用)
ヨクイニン(ハトムギ)の健康効果 効能
ハトムギの有効成分は実はまだはっきりとは特定されていません。
ですが、ハトムギには精白米の2倍とも言われる良質なたんぱく質や食物繊維、カリウム、カルシウム、鉄、ビタミンB群などが含まれています。
ハトムギに含まれている成分のひとつであるカリウムには、利尿効果がありデトックスの効果が期待されます。体の中の老廃物を尿と共に排出させるため、結果として美肌の効果になります。
また、利尿効果によるデトックスで老廃物が出たことにより代謝が上がり、排膿や解毒作用が促進され、ニキビやアトピー、シミ、そばかす、そしてイボの改善にも活用されます。
他にも、ヨクイニンには肌の保湿効果もあるといわれ、ヨクイニンを飲み続けることで肌の水分量が高くなり、バリア機能が高くなるとも言われています。デトックスにより肌の代謝(ターンオーバー)も正常になるため、古い角質や老廃物などを体内から押し上げて体外へ排出してくれます。
ヨクイニン(ハトムギ)の健康効果 摂取の方法
- ハトムギ茶・・・煮出して飲む。
- ハトムギ粉・・・オブラート等に包んで飲むか、飲み物に混ぜて飲む。
- ハトムギ粒・・・ご飯(1合)に大さじ1程度加えて一緒に炊いたり、柔らかく炊いてサラダ等にトッピングする。
- 漢方薬・・・・・粉剤や錠剤になっているもの以外としてはヨクイニンを煎じて飲む。
- ハトムギのエキスが入った化粧品
ヨクイニン(ハトムギ)の健康効果 歴史-日本の民間療法?-
中国最古の本草書といわれている「神農本草経」には上品として記載され、古くから薬として使われてきました。その後発刊されてた「本草網目」(1578年完成)には、効果として利尿作用に通じる『湿に勝つ』と記されています。ですが、これらの本草書には、イボ取りや美肌など肌に関する効果があるとの記載がありません。
日本では、江戸時代の本草学者であった貝原益軒が編纂した「大和本草」(1709年刊行)にも「薏苡仁 功能多し上品の薬なり」と記載していることから、この頃にはヨクイニンは薬として日本でも認知されていたことが確認できます。
「大和本草」に顔面の多発性小瘡に煎服が有効であった例が載っていたり、江戸時代の医学書にはイボ取りが紹介されていることなどから、イボ取りや肌荒れに対する効果というのは日本の民間療法によるものと考えられています。
ヨクイニン(ハトムギ)の健康効果 まとめ
ヨクイニン(ハトムギ)が日本に伝播された時期については諸説あり、奈良時代とも江戸時代とも言われています。このように長い歴史があるヨクイニン(ハトムギ)ですが、有効成分についてはまだはっきりと特定されてはいないようです。ですが、江戸時代にはイボ取りや肌荒れに対する効果があるとされ珍重されてきた生薬ですから、どのような有効成分があるのか解明されるときが早く来るのを期待したいですね。
コメントを残す